CB750(RC04)の定番の不評のひとつとして、クラッチアウター内のゴムの摩耗がある。
このゴムが摩耗すると、クラッチアウターの動きにガタが生じ、
アイドリング時に「ガラガラ、ゴロゴロ」と異音が大きくなる。
ゴムなので摩耗は仕方ないのだが、このゴムのみの交換はできなくて、
クラッチアウター全部がアッセンブリーとなっており、
部品が供給されていた内は良かったのだが、30数年経った今は入手は不可能だ。
そこで、ゴムだけだったらリビルト品がネットで出回っているので、これを購入。
交換にチャレンジしてみた。
↑ これが問題のクラッチアウター内のゴム。(純正品) こんな格好をしてます。
↑ これがリビルト品。純正品とは形状が違うが問題ない。
さて、クラッチケーブルを外してから、クラッチカバーを外す。
クラッチカバーを止めてるボルトは11本あり、
その内の一番下の1本が、マフラーと干渉して抜けない。
仕方ないので、リアステップ部分で止めてあるマフラーステーのボルトを外し、
マフラーを足で踏んづけ、押し下げながらボルトを抜いた。
メインステップもボルトを緩めて、180度後ろ側へ回転しておくこと。
クラッチカバーを止めてるボルトは11本。
長さが3種類ある。
間違えやすいので、抜いた順番に番記しておいた。↓
カバーを外すとクラッチ板が現れる。↓
クラッチリフタープレートを外すとこんな感じ。↓
この時点までに、必ず行っておかなければならないことがある。
ギアを入れて、クランクが回らないようにしておく!!
自分は忘れていて、この時点でギアを入れたため、
メインスタンドが立てられなくなってしまい、サイドスタンドで作業するハメになった。
最初からギアを入れておけば良かったな〜〜〜
ロックナットを外すために、ロックワッシャーの爪を起こして、ロックを解除する。↓
DAYTONA・クラッチロックナットレンチ。↓ これがないと外せない。
タイヤが動かないようにストッパーを置き、
リアブレーキを踏みながら、ロックナットレンチで外す。
左端のワッシャーは、表面(手前となる側)に「OUT SIDE」の刻印がある。↓
ロックナットは、裏側は面取りしてあるので、間違わないように。↓
クラッチアウターと初対面!!
ここからが本番! やっとクラッチアウターの加工へ!!
リベットでロックされているアッセンブリを、リベットを飛ばしてバラす。
先ずはリベットの頭にポンチして、5mmのドリルで3〜4mm掘り下げる。↓
リベットの頭にマイナスドライバーを当て、ハンマーで叩いて、リベットの頭を飛ばす。↓
この状態になったら、4mm程度のポンチをリベットに当てて、叩いてリベットを落とす。
落とす・・・・・・・・
お、おとす・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ぜんぜん、落ちんぞ!!!
普通のトンカチじゃ、ビクともしないので、拳くらいでっかいハンマー持ってきて・・・
あれ? ぜんぜん、ダメじゃん・・・・・(汗;)
そうか、机上の万力に乗せて叩いていたが、机が力を吸収してるかも???
でっかいH鋼の台座を地べたに置いて、その上でやれば・・・・・・。
ダメじゃん!!!
・・・どうしよう・・・
リベットの頭が数ミリ出ているから、プレスしてみるか・・・・・
・・・・・う〜〜ん、センターで固定できないので、力を掛けると横に逃げてしまう。
温めれば、内径が広がるかも・・・・・
バーナーを持ってきて、アウターを熱してみる。
ダメじゃん!!! 抜けねぇ〜〜〜
まてよ・・・アウターのこの形状自体が、弾力性があって、
力が伝わらねえんじゃねえか???
リベットの直ぐ下にステーをかませて叩けば、力が逃げないんじゃないか???
なんか、ねえかなぁ〜〜〜
お! ロングのソケット型プラグレンチはどうかな?
おお、丁度いい長さだ!
万力にロングのソケット型プラグレンチを立てて、その上にアウターを乗せて、
ポンチを当てて叩いてみたら・・・・・・・・
やった!!!!! ゆるんだ!!!
抜けた!!!
さあ、次はタップでネジ切り!! 6mmのタップで25mm掘り下げ。↓
プレート(蓋)の穴も6mmに拡げる。↓
試しにはめてみる。きつくて、手の力だけでは完全に入らない。↓
一旦外して、ラバープロテクタントを万遍なく吹く。↓
相当にピッタリ、というか、ゴムが僅かに大きい様で、なかなかすんなり入らない。
ギアに木片を当てて、ハンマーでめぐりを叩きながら、結構無理して入れる。
360度、水平に入れるのに、しばし悪戦苦闘したが、何とか同じように入った。↓
ここで、またひとつ問題が・・・・・
タップで切ったネジ穴が、少し、ゆるいなぁ〜〜
ネジロックを付けるとしても、バネ座金も付けたいなぁ・・・
そうすると、ネジの頭が高くなるけど、干渉しないかなぁ・・・?
超〜〜、適当に、測って見よっと! ↓
何とか大丈夫そうだから、ネジ座金をかますことに決定!!
ネジロックは、次回外す事も考えて、「中強度タイプ」を使用。
ネジ、ネジ穴ともに、パーツクリーナーで油分を洗い流してから、ネジロックを塗布。
完〜〜〜成!!!!!
ついでに、クラッチの摩耗度もチェック
スプリング6個の点検。 実測:33.9〜34mm/使用限度:32.8mm以下 OKだね。↓
ディスクの点検。 実測:4mm/使用限度:3.4mm以下 OKだね。↓
爪を立てて、ロックすることを忘れずに。↓
ここまで戻ってきたぞ。↓
ついでに、オイルとオイルフィルターの交換も
キジマ:#105ー604 マグネット付 オイルフィルター ↓
Oリングは2種類付属してる。太い方を使用する。↓
オイルは「HONDA ULTRA S9」を使用。
以前、アッシュオイルを使ってみたけど、オイル滲みが数カ所出てしまったので、
前回より鉱物油に戻したところ、オイル滲みは止まった。
鉱物油はガスケットを攻撃して膨張させるので、オイル滲みにはいいみたいだ。
次回のためにメモとして書いておくと、
走行距離、17,425km 時点。
さ〜〜〜て、完成です!!
恐る恐るエンジンを始動・・・・・
お! ガラガラ、ゴトゴトが、な〜〜〜い!!!
静かになったなー。
やって良かった!!!!!
〈 Description day 2015. 08. 30 〉